元米国P&G会田秀和氏が語る「経営を変える、攻めの人事へ」―陳腐化した組織文化は日本企業の見えない病
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元P&G(ザ・プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー)米国本社の組織変革・HR担当ヴァイスプレジデント、会田秀和氏による「経営を変える、攻めの人事へ」と題した本連載(全14回)。第13回は「陳腐化した組織文化は日本企業の見えない病」というテーマでお送りします。

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陳腐化した組織文化は日本企業の見えない病

日本企業で変革が成功しないのは、組織文化に原因があると考えています。組織文化は、時として企業を殺してしまうほどの影響力を持つものです。陳腐化した組織文化は高血圧症のようなもので、表面には症状が出にくく、わかりにくいため自身では問題に気づきません。

経営幹部には、自分たちの組織文化がどういうものか客観的に見えません。だから企業は組織文化という病に侵され、衰弱し、死んでいくということが起きるのです。組織文化のビジネスへの影響を認識しない組織は、自らの組織文化の被害者になるのです。

目指すべき組織文化を明文化する

それでは陳腐化した組織文化はどのように変えていくべきでしょうか? P&Gジャパンの変革では、陳腐化した組織文化を変えるために次のような「戦略的文化の形成」を宣言しました。

戦略的文化の形成
・古く陳腐化した組織文化から、イノベーションと実践の組織文化へ
・年功序列タテ型文化からイノベーションを促進するアイデアの民主主義的文化へ
・男性中心から多様性の組織文化へ
・(日本特有の)島国文化からグローバル文化へ

次に戦略的文化の変革を実行するため、古い組織文化と目指すべき戦略的文化を明確に対比させました。

古い組織文化
本音と建前、年功序列・形式的、頻繁な就業規則違反、非効率非生産的、男性中心のマッチョイズム、強いローカル色、古いトップダウンリーダーシップ

戦略的文化
アイデアの民主主義、成果主義、自由・自己責任・信頼、実践、多様性(女性)尊重、グローバル、自主性尊重・成長

そして、組織文化を変えるために、戦略知識スキル組織設計リーダーシップの4つにてこ入れを行いました。

組織文化を変えるには、意識ではなく行動を変えること

組織文化は教育するだけでは変えられません。「(古い組織文化から戦略的文化へ)意識を変えるために何をすればいいのですか?」とよく聞かれますが、意識を変える必要はなく、行動を変えればいいのです。新しい行動を取ることによって意識は変わります。行動の前に意識を変えるというのは順序が逆です。行動を変え、新しいことを実践することによって新しい認識が生まれ、それがまた新しい行動につながります。そうして組織文化は変わっていくのです。


>>「経営を変える、攻めの人事へ」――【最終回】文化は数値化し、測定できる


【著者プロフィール】
元P&G米国本社 組織変革・HR担当ヴァイスプレジデント/AIDA LLC代表
会田秀和氏

写真_会田氏

ブリガム・ヤング大学マリオット・スクール・オブ・ビジネスで組織行動学修士を取得後、オハイオ州シンシナティ市にあるP&G本社に入社。同社において、人事および組織デザインの社内プロフェッショナルとして、P&Gフィリピンの改革、P&GジャパンとP&Gコリアのグローバル化、P&Gグレーターチャイナの改革などを手がける。現在、AIDA LLC(Aida Consulting LLC)代表として経営戦略、組織デザイン、戦略的人材マネジメントに関するコンサルティングを行っている。他にアストラゼネカ株式会社の社外取締役、ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授(組織行動学)も務める。著書に『P&G流 世界のどこでも通用する人材の条件』がある。
 
初出『経営を変える、攻めの人事へ』(HR総研) 編集:HRレビュー編集部
 

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