【事例】首都圏から優秀人材を招聘成功。とある地方企業が実施した候補者目線の採用とは?
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「次世代の人材育成」「後継者探し」などは、地方企業、特に過疎化が進む地域の企業にとって難易度の高い課題と言えます。そこで有効な手段が、県外や首都圏に住む優秀な人材を採用すること。これには、どのような工夫が必要なのでしょうか。

今回は、「面接での動機づけ」と「移住に対する不安の解消」の2つの施策を、スピードをもって行ったことにより、首都圏の人材採用に成功している地方企業2社の事例をご紹介します。

事例1 N社 (中部地方)

首都圏出身者を含め元社長など5年間で80人の採用に成功

N社は経営陣の後継者探し、次世代の人材育成を目的に、2010年より毎年15名程の優秀人材の採用に挑戦したところ、5年間で首都圏出身者を含め、社長や役員などを務めていた80人の人材採用に成功しています。地方の企業であるからといって、県内や近郊の人材だけにとらわれず、日本全国から優秀、かつ志を持った人材に来てもらうために同社がしたことは、東京での面接で動機づけを行うことと、地元地域でのバスツアーを行い、応募者の地方移住の不安を取り除くことでした。

本社だけでなく東京でも面接を実施

同社は、一次面接を中部地方にある本社だけでなく、東京でも実施しています。特に一次面接は、本当に求める人材かどうかを見極める大切な場であり、また、このファーストコンタクトで企業側からも、どれだけ応募者の心に刺さる言葉や提案が発せられるか、いかに動機づけができるかを考えているそうです。そのため、同社では、人事本部長が東京に出張し、面接を行っています。

バスツアーで「移住」の不安を除去

東京で行った一次面接で良い感触をつかんだとしても、「移住」という大きな不安を除去しなければ、採用に至らない場合もあります。不安を取り除くためには、応募者に住環境、労働環境をしっかり確認して納得してもらうことが大切だと考えているそうです。「特に、県外の応募者は本県の雪に対してマイナスイメージを持っていることがわかりました。しかし、テレビで映し出されるような雪深い映像は、本県のごく一部のみのことであり、本社のあるエリアではそれほど雪は降りません」と語ってくださったのは、N社人事本部長のK氏。

気候や実際の会社の雰囲気を応募者に理解してもらうため、同社が実施したのは、東京での一次面接の翌週に本社での説明会と地元地域を巡るバスツアーでした。

「説明会では、N社の歴史や理念など、地元地域の住みやすさや働く環境、物価や年収など首都圏と本県のさまざまな違いを数字も示しながら説明し、理解してもらいます。また、説明会後のバスツアーで地元地域を知ってもらい、ここでの生活をイメージしやすくなるように工夫しました。実際に見てもらうことで、応募者の不安を取り除くことができ、内定辞退の抑止にもつながっているんです」

 

事例2 K社(近畿地方)

首都圏大手メーカー出身の優秀人材の採用に成功

近畿地方南部に本社を置く製造会社K社は、開発本部の部長の起業が決まったことにより、急遽後任の採用が必要となりました。「当社の社長は『世界初を発明したい』という強い発明マインドを持っているため、求める人材は大学教授やドクターのような、過去に発明や特許を手がけた、最先端の技術者です。一方で、開発組織の本部長という立場の採用のため、高いマネジメント力も必須でした」と、説明してくださったのは総務・企画本部長のT氏。

求める人材のレベルが上がるほど、人材採用は難しくなります。しかも、今回は採用までに時間の制限があったため、同社は、選考をスピーディーに進める必要がありました。そこで、候補者への動機づけとしては、スカウトメールにポジションに対するミッションを明確に記載し、仕事内容や条件がしっかりと伝わるように工夫しました。同時に、「移住」に対する不安を取り除く工夫を行ったことにより、首都圏大手メーカー出身の優秀人材に、面接3日後に出したオファーに快諾してもらうという、スピード採用を実現させたのです。

面接交通費5万円支給! 一次面接から最終面接までを1日で完結

移住して働くイメージを持ってもらえるよう、面接は本社で実施。交通費として5万円を支給しました。一次面接は専務と総務・企画本部長が行い、最終面接は一次面接と同日に、社長と会食の席で行われました。つまり、一次面接から最終面接までが1日で完結したのです。

「1回の面接で漏れなく見極めるために、判断ポイントを4項目設定し、面接担当者それぞれが点数をつけ、その合計点で判定しました。そこで、技術力や人柄はもちろんのこと、マネジメント経験もある『ダントツ』の人材に出会ったのです。また、最終面接を社長との会食にしたことで、ざっくばらんに話すことができ、お互いの人柄をより深く理解できました」

引っ越し費用サポート、家探しのお手伝いなど移住のストレスをできるだけ軽減

採用した人材は地元地域には縁もゆかりもない人物であったため「移住」に対する不安の緩和が必要でした。そこで、面接交通費の支給だけでなく、引っ越し費用、一時金のほか、新しく住む家も安く借りられるように手配するなど、移住のサポートを徹底したところ、移住に対するストレスや不安の軽減につながったそうです。

「会社には、駐車場があるので、自動車を使えば20分程度で通勤でき、定時は17:30なので、比較的帰りが早い日も多い。ワークライフバランスの取れた働き方が実現できるところも、地方ならではの良さであり、応募者の『移住』に対する不安解消にもつながっています」

まとめ

今回ご紹介した2社は「面接時や事前の動機づけ」と「移住に対する不安解消」を、スピードをもって行うことで首都圏の人材を獲得できました。県外や首都圏に住む人材の採用活動を考えている場合には、これらの事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

(文:望月美奈子/編集:田村朋美)

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