採用に直結するインターンシップのつくり方
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2017年卒業者を対象としたサマーインターンシップの振り返り

2015年は、日本経団連の就活「後ろ倒し」の指針の影響で、経団連に加盟する企業における2016年卒業者(以降、16卒)の選考が8月開始となりました。これにより、例年ならば7~9月の学生の長期休暇時に実施されるサマーインターンシップを「実施したくてもできない」企業もあったようです。

実施した企業は順調に優秀な人材と出会えた

就活「後ろ倒し」の影響を受けたのは主に経団連に加盟する日系大手企業と、その動きに左右される中堅・中小企業のみ。経団連に加盟していないようなメガベンチャー、外資系企業は例年同様、サマーインターンシップを実施し、相変わらずの活況を呈していました。実施した企業数社にヒアリングをしたところ、日系大手企業などが実施できなかった影響もあってか、16卒を対象としていた2014年のサマーインターンシップと変わらず、順調に良い人材と出会えているようです。

昨今では、「インターンシップは優秀な学生と早期に出会えるツールである」という認識が広まってきており、採用した学生の半数以上がインターンシップ参加者という企業も珍しくなくなっています。優秀な人材を獲得したい企業にとって、インターンシップの役割は今後ますます重要になっていくでしょう。

インターンシップのメリットは大きい

インターンシップ参加者の採用が増えている代表的な理由は、以下の2点です。

1.企業と学生のミスマッチが減少する

これまでの日本における一般的な採用活動は、採用シーズン前に定型的に広報し、シーズンインとともに各企業が一斉に、短期間で、大量の学生の選考を行うものでした。しかしこのやり方では、企業も学生も短い選考期間にできるだけ良い印象を与えるために、お互いに取り繕ったコミュニケーションをしてしまいがちです。

そのため、採用後にどうしても「こんなはずではなかった」という事態が発生してしまうことがあります。しかしインターンシップを実施すれば、企業も学生も長期に渡ってお互いの情報収集や評価を行うため、必然的にミスマッチが減るのです。

2.学生を成長させ、自社への志望意欲を高められる

まだ若く成長途上である学生は、インターンシップへの参加によって大きく成長する可能性があります。夏のインターンシップでは別段目立ったスキルのなかった学生が、冬のインターンシップや選考で再会したときには見違えるように成長していたというケースは少なくありません。

インターンシップにおいて大事なのは「学生に対するフィードバックの深さ」です。インターンシップ期間中の学生の活動成果について、企業側が率直なフィードバックを行うことで、学生は成長する可能性が高まります。特にネガティブな内容もフィードバックすることが重要です。「何ができていないのか」「どうすれば良くなるのか」についてしっかりと伝えることで、学生の成長を大きく促進することでしょう。

また学生からすれば、きちんとフィードバックを行ってくれる企業は「育ててくれた」という親しみを持つ可能性が高まり、志望度向上にもつながります。「インターンシップでもこれだけ自分を磨いてくれるのであれば、ここで働いてみたい」という気持ちになるわけです。どんなに質の高いインターンシップ・プログラムをつくっても、企業から一方的に伝えて終わりでは、育成効果はたかが知れています。学生扱いせず、社員と同様に接することで学生を成長させ、自社への志望意欲を高めるのです。

インターンシップの実施は意味がない!?

インターンシップを採用につなげるという成功事例が広く知られるようになり、私のところにも中堅・中小・ベンチャー企業の採用担当者から「ウチの会社でも実施したいがどうすればよいか」という相談が増えてきています。しかし、ただやみくもに始めてしまうと、骨折り損な結果になる可能性が高いです。

16卒を対象とした2014年から、サマーインターンシップを実施して採用活動を早期から始める企業はかなり増加しました。ただ、そのインターンシップの多くが採用に関係するのかどうかあいまいなまま進められており、最終的な採用にはつながらず失敗しています。採用が目的であるにもかかわらず採用に直結しないインターンシップは(ブランディングやCSRの観点での実施なら別ですが)、実施する意味はないといっても過言ではありません。

採用へとつなげるインターンシップの実施方法とは

では、どうすれば大手ではない企業や、学生の間で大きな人気のない「採用ブランドが高くない」企業においても、採用につながるインターンシップを実施できるのでしょうか。最も重要な2つのポイントについて説明します。

ポイント1
「就活意識が低い」×「優秀層」を狙って参加者を集める

せっかく早期からインターンシップを取り入れて採用活動を行っているにもかかわらず失敗してしまう要因は、「就活意識が高い層」の学生を集めてしまっていることにあります。インターンシップの募集告知を、マス媒体の広告などの一般的な方法で行えば、就活へのやる気に満ちている「就活意識が高い層」が多く集まってきます。一概にはいえませんが、傾向としては、「就活意識が高い層」は「多くの企業を受けて、採用ブランドが高い(学生の間で人気のある)企業に入社したい」と思っていることが多いもの。つまり、採用ブランドに自信のない企業にとっては最も採用しにくい層に当たります。

マス媒体で募集していては彼らにリーチしてしまいます。しかし狙うべきなのは彼らではなく、まだ就活に積極的に取り組もうとしていない「就活意識が低い層」の中にいる優秀な学生です。そうした学生は、学業や課外活動などに熱心に取り組んでいることが多いです。また、就活に自信がある学生ほど、まだ早い段階では就活以外の活動を優先していることが多いと私は感じています。

この「就活意識が低い層」を狙うには、直接アプローチして候補者を集める「ダイレクト・リクルーティング」が有効です。自社の内定者や新入社員などの若手から後輩の優秀な学生を紹介してもらったり、学生のダイレクト・リクルーティングに特化したサービスやSNSなどを活用したりして、インターンシップ参加候補者の母集団形成を行いましょう。その際に重要なポイントは、インターンシップのために学生を集めるのではなく、先にこちらからアプローチした候補者の受け皿としてインターンシップを用意することです。

ポイント2
「自社の業務の疑似体験」にこだわらない

昨今は、インターンシップの機会自体が増加しており、誰もが知っているような有名企業でもインターンシップの応募者が前年割れとなるような状況が起きています。そこで最近のインターンシップでは、単に「自社の業務を疑似体験する」という一般的なインターンシップの概念を超えて、コンセプトやコンテンツを変え、さまざまな工夫を凝らして学生を集めようとする企業が増えています。

たとえば、ある日系大手グローバルメーカーは、社内の次世代リーダー育成プログラムをインターンシップ向けにカスタマイズ。募集企画名も「●●会社インターンシップ」ではなく、「次世代リーダー育成プログラムに参加しないか」というキャッチコピーを付けています。また、ある大手人材ビジネス企業は、海外の日系企業と組み、現地で就業経験ができるインターンシップを実施しています。いずれの事例も直接的に自社の仕事を疑似体験するものではないですが、「学生に役立つこと」を重視したコンテンツにしたことで優秀な学生を集めています。極端な事例かもしれませんが、学生に対する知名度が高くない企業こそ、このような学生目線で魅力的な企画を実施することが有効になると思います。

採用に直結するインターンシップの実施方法とは(まとめ)

・16卒の採用後ろ倒しの影響を受けたものの、経団連に加盟していない企業のサマーインターンシップは活況。インターンシップは採用チャネルとして重要なものになりつつある

・インターンシップは、「ミスマッチを減少させる」「学生を成長させ自社への志望意欲を高められる」などのメリットがある

・採用につながるインターンシップを実施するには、「就活意識が低い優秀層」に狙いを定めて、自社の業務の疑似体験にこだわらず、「学生目線で魅力的な企画」を実施することが有効になる

 

著者プロフィール: 曽和 利光 氏

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リクルート、ライフネット生命、オープンハウスと、業界も成長フェーズも異なる3社の人事を経験。現在は人事業務のコンサルティング、アウトソーシングを請け負う株式会社人材研究所の代表を務める。

編集:高梨茂(HRレビュー編集部)

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