2016年度新卒採用で復活。激しさ増す新卒採用市場で見直されるリクルーター採用の4つのメリット
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そもそもリクルーター採用は昔ながらの手法

私が学生だった20年以上前は、いまのようにインターネットが普及していたわけではないため、どのような会社が採用活動をしているのかがあまりわからず、就職活動を始めるにあたってできるのは「資料請求ハガキを企業に出して連絡を待つ」ということでした。その当時、大手企業の採用手法として主流だったのが「リクルーター採用」というものです。

リクルーター採用とは、採用対象校のOB・OG社員に採用活動の一部を担ってもらい、先輩後輩の関係による紹介を中心に母集団形成を行う採用手法のことです。昨今では、社員紹介などから採用を進める「リファラル・リクルーティング」という新しい呼称が生まれていますが、リクルーター採用はこのリファラル・リクルーティングの原点であるといっても間違いではないでしょう。

この採用活動の一部を担うOB・OG社員のことを「リクルーター」と呼びますが、当時の学生は、志望する企業のリクルーターに「見つけてもらう」か、OB・OG名簿を頼りに「自らコンタクトをとって会う」ことができなければ選考を受けられなかったのです。

しかし、インターネットが普及し、就職活動の主流が就職ナビサイトにシフトしていくにともなって、それまで水面下で行われていた採用活動はどんどんオープンになっていきました。そこで企業は、リクルーターがフォローする対象を、就職活動を活発に行わない理系院生や体育会学生など、こちらから積極的にアプローチしないと採用できない学生に絞るようになりました。

就活「後ろ倒し」がリクルーター採用を復活させた

ところが、2016年度新卒採用から就職活動が「後ろ倒し」になったことで状況は一変しました。経団連による就活「後ろ倒し」の指針を受け、メジャーな就職ナビサイトが広報開始を遅らせたことにより、早期から採用活動を行いたい企業は就職ナビサイト以外の方法で学生の情報を集める必要に迫られたのです。

新卒専門の人材紹介会社など、母集団形成をサポートする新たなサービスも生まれましたが、企業が自力で優秀な学生を集めようとしたときに選ばれたのが、昔ながらの手法、リクルーター採用でした。就活「後ろ倒し」を機に新たにリクルーター採用を始めた企業は多々ありましたし、2015年度新卒採用までは理系だけを対象にリクルーター採用を実施していた企業でも、対象となる学生を事務系・文系にまで広げたり、採用対象校を増やしたりしたため、2016年度新卒採用ではリクルーターの数が激増しました。具体的な例として、某家電メーカーで約1,500名、某精密機械メーカーで約500名のリクルーターを組織しており、それぞれ前年比で倍増させたと聞きます。

リクルーター採用のメリット

リクルーター採用は多くの社員を巻き込む必要があるなど、一見すると非効率にも見えます。実際、リクルーター採用を行っていない企業の大半は、効率の悪さを理由に実施していません。しかし一方で、一定数の会社が長年リクルーター採用を行っているのもまた事実。その理由は、リクルーター採用には大きなメリットがあるからです。ここからは、リクルーター採用の代表的なメリットについて解説します。

メリット1

企業の知名度がなくても採用できる

社員だけでなく、いまや内定者のネットワークをも利用するリクルーター採用は、企業の知名度に関係なく採用できる手法です。就職ナビサイトなどのマス媒体で求人を広報して母集団形成する通常の採用活動では、学生からの応募を待つのが一般的です。ただ、この方法では知名度や人気が高い企業に多くの応募が集まる一方で、そうでない企業が応募を集めるのは至難の業です。しかしリクルーター採用であれば、リクルーターのネットワークを介して後輩の学生らに企業側からアプローチできるため、知名度の高くない企業でも多くの学生が集まります。たとえば、私がサポートしている中小企業のなかには、内定した学生10名からの紹介で数珠つなぎで学生に会い、年間300名もの学生と面談したという企業もあります。これは極端な成功例かもしれませんが、私はサポートしている企業に「起点となるリクルーターの人数×10倍の学生と会える」と説明しています。

メリット2

採用選考の合格率が高まる

リクルーターのネットワークで集めた学生は、リクルーターによる一次スクリーニングが済んでいる学生、つまり一定以上の質を有する学生ともいえるため、必然的に合格率が高くなります。マス媒体などで広報して集めた母集団より5~10倍も合格率が高いと私は考えています。

メリット3

企業と学生のミスマッチを減らせる

リクルーター経由で学生を集めると、たいていの場合はリクルーターからその学生について信頼度の高い情報が手に入ります。もちろん、通常のマス媒体を使った採用活動でも情報は得られますが、その内容は少しでも自分を魅力的に見せようとした主観的な情報であるため、リクルーターからの情報のほうが選考の材料として役立つケースが多いのです。つまり、リクルーター採用のほうが正確な選考を行うことができるため、企業と学生のミスマッチを減らせます。また、リクルーターは気心の知れた先輩として後輩の学生と会うため、通常のフォーマルな選考と比べてより率直なコミュニケーションがとれることもミスマッチの減少につながります。

メリット4

組織を強くするインフォーマルネットワークをつくりやすい

リクルーター採用は、元々信頼関係のある学生を採用するケースが大半です。その良好な関係がそのまま社内に持ち込まれるため、組織内の「インフォーマルネットワーク」の強化につながります。インフォーマルネットワークとは、組織図上のフォーマルなつながりではなく、部門やチーム、業務の枠を超えた社員同士のつながりのことで、退職防止やメンタルヘルス向上など、組織を強くするセーフティーネットとして機能します。インフォーマルネットワークをゼロからつくるには時間がかかりますし、そもそも強い信頼関係を築けるかどうかもわかりませんので、すでにリクルーターと信頼関係にある学生を採用できればインフォーマルネットワークの構築は容易になります。

採用難の時代。結果を出すにはリクルーターの「戦闘力」向上が不可欠

このようにさまざまなメリットがあるリクルーター採用は、採用数の増加や就活「後ろ倒し」の影響で多くの会社が強化しています。となると、他社と同じようなやり方ではリクルーター採用の効果は徐々に薄れていくでしょう。リクルーター採用はどの企業も導入しやすい手法だけに、すぐにまねできる「戦術」を導入するだけでは他社との差別化は図れません。競争力をつけるためには、「戦術」を導入するだけではなく、リクルーターの「戦闘力」を高めなければなりません。

人を口説くために学ぶべき「フォロートーク」と「説得の心理」

リクルーター採用における「戦闘力」とは、要は「人を口説く力」です。「人を口説く力」を高めるには、「フォロートーク」のスキルを磨くこと、「説得の心理」を学ぶこと。この2つに尽きます。

「フォロートーク」とは、「入社動機」「事業説明」「組織文化説明」「ネック(学生が抱きやすい自社に対する不安要素)に対するカウンタートーク」など、自社で働く動機を高めるための会話術です。

「説得の心理」とは、たとえば、こちらから先に自己開示しないと相手はオープンに話してくれないという「自己開示の返報性」や、即断型か熟慮型かなどの相手の意思決定スタイルによって押すべきか待つべきか駆け引きを行うといった、説得に必要な心理学の原理原則です。

ただ、これらのスキルは一朝一夕では身につきません。実際の現場で何度も何度も繰り返し実践していくことでしか、リクルーターの「戦闘力」向上は見込めないのです。だからこそ、今後ますます重要度が高まるだろうリクルーター採用を実効性の高いものにするために、「今すぐ」リクルーター採用を導入し実施するべきです。少しでも早く、社員にリクルーターとしての実践トレーニングを施して、何度も経験を積んでもらうことが、戦闘力の高いリクルーター体制構築への近道なのです。採用難の時代で結果を出すために、「攻め」の採用手法であるリクルーター採用は試してみる価値があるはずです。

著者プロフィール: 曽和 利光

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リクルート、ライフネット生命、オープンハウスと、業界も成長フェーズも異なる3社の人事を経験。現在は人事業務のコンサルティング、アウトソーシングを請け負う株式会社人材研究所の代表を務める。

編集:高梨茂(HRレビュー編集部)

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