タレント・マネジメントは、人事部門の戦略機能を高め、 経営の質を上げる変革ツール
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タレント・マネジメントとは、「人材の採用、選抜、適材適所、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の人材マネジメントのプロセス改善を通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、現在と将来のビジネスニーズの違いを見極め、優秀人材の維持、能力開発を統合的、戦略的に進める取り組みやシステムデザインを導入すること」であると、SHRM(全米人材マネジメント協会)は定義しています。
またASTD(米国人材開発機構)では、タレント・マネジメントを「仕事の目標達成に必要な人材の採用、人材開発、適材適所を実現し、仕事をスムーズに進めるため、組織文化(Culture)、エンゲージメント・組織への一体感(Engagement)、能力・才能(Capability)、組織の潜在的可能性(Capacity)の4つの視点から、実現しようとする短期的/長期的、ホリスティックな取り組みである」と定義しています。2009年からは4つのカテゴリー、8つの領域に拡大され、以下のような定義となっています。

ASTDにおけるタレント・マネジメントの定義

タレントマネジメントの定義

SHRM、ASTDのどちらの定義にも共通しているのは、人材マネジメントをつかさどる人事部門は、経営の質を高めていかなければならないということでしょう。そのためにもドゥアブル発想(人事施策効果)ではなく、デリバラブル発想(達成成果)で「ビジネスに何がもたらされたか」というところまで考える癖をつけることが必要です(金井壽宏著『CHO 〜最高人事責任者が会社を変える』)。
たとえば、上記の図に「人材の獲得(Acquisition)」という施策があります。従来のヒューマン・リソース・マネジメントの概念では「人材の獲得」であれば「採用力を高める」という発想でした。しかし、タレント・マネジメントでは「組織の潜在的可能性(Capacity)」を高めるための機能として考えます。「組織の潜在的可能性を高める」ための「人材の獲得」であるからには、さまざまな優秀人材を引き付ける会社にならなくてはなりません。そのためには、「働きがいのある会社」「働きやすい会社」といわれるように、採用だけでなく、人事企画や教育研修、労務といった部署が一致団結して取り組まなければならなくなります。
つまり、タレント・マネジメントの具体的施策を実施するには、人事部門の戦略機能を高め、縦割り傾向が強い各部署間を統合していかなければならないのです。

タレント・マネジメントとは

人事部門の戦略機能を高め、縦割り傾向が強い各部署間を統合していくための変革ツールとして機能する


初出『HRトレンドハンドブック2013』(HR総合調査研究所、ProFuture株式会社)
須東朋広(株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 主席研究員/HR総合調査研究所 客員研究員)

 

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