組織はここまで改善される! 大きな効果を発揮しているユニークな人事制度
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 厚生労働省の発表によると2015年10月の有効求人倍率は前月と同水準の1.24倍、失業率は前月比で0.3ポイント低下の3.1%をそれぞれ記録。これはいずれも1990年代中ごろと同等の高水準です。転職市場の観点からは「人が辞めにくくなり、採用もさらに難しくなってきている」といえるでしょう。

働きやすい環境づくりが、優秀な人材の採用と定着を促す

 優秀な人材の獲得や定着を促すためには、社員が満足して働ける環境を整えることが大切です。では、どうすれば社員が満足する環境になるのでしょうか。その施策の一つが、人事制度です。業務内容や給与、待遇といった条件に加えて、最近では「社員間でコミュニケーションをとる制度や機会があるか」といった視点を大切にする求職者も増えつつあります。今回は、会社ごとに特色のある人事制度と、その狙いについてまとめてみました。

ダイレクト・リクルーティングの採用成功事例

離職率が28%から4%へ――サイボウズ株式会社

最初にご紹介するのはグループウェア国内シェアナンバーワンを誇るサイボウズ株式会社です。「チーム」の業務を効率化し、より良い効果を生み出すための情報共有ツールを開発、提供している同社ですが、劣悪な職場環境とチームの雰囲気の悪化から、離職率が28%を記録した時期もありました。そんな会社が、ここ3年間は5%を切る離職率をキープするまでになった理由は、人事制度の方針を変えたことにあるといいます。

100人いれば100通りの人事制度があって良い」「人事制度は変えるものではなく足すものである」という発想に立った人事制度はとてもユニークなものばかり。ここではその一部をご紹介します。

選択型人事制度

仕事を重視する人、仕事とプライベートを両立させたいと考える人など、各自がライフスタイルにあわせて働き方を選択できるようにしたのが「選択型人事制度」です。労働時間と働く場所を組み合わせて、合計9パターンのワークスタイルを用意。「会社で長時間働く」「会社以外の場所で短時間だけ働く」といったパターンのなかから、自分にあった働き方を社員が選択できるようにしています。

育自分休暇制度

「会社は辞めたくないですが、他の会社がどういうものなのか、興味があります」というプロパー社員の声から創設された人事制度。35歳以下を対象に、転職や留学など、自分を成長させるために退職できます。「再入社パスポート」が交付され、退職後6年間は復職が可能です。既に複数の適用例が出ています。

他にも社長自身が2週間の育児休暇を取得、他の男性社員も育児休暇を取得しやすい雰囲気がつくられるなど、人事制度がさまざまな形で活用されている企業です。

若手社員を次々に抜てき――株式会社サイバーエージェント

日本を代表するIT企業として知られるサイバーエージェント。自ら挑戦し、学び、キャリアを選択できる機会を設けることで、社員の成長をサポートしている企業です。新卒入社から間もない社員が事業部長に抜てきされたり、新会社立ち上げを任されたりと、若い社員を積極的に引き上げる人事制度が多く見られます。

CAJJプログラム

利益規模、サービス規模などで事業フェーズを分け、それぞれの昇格条件や事業撤退基準を明確化。事業を拡大させるだけでなく、少数の社員に立ち上げから運営まで任せることで早くから経営やマネジメントの経験を積めるようにしています。未来の経営者、ビジネスリーダーの育成を目指す人事制度です。

キャリチャレ(キャリアチャレンジ)

同部門での勤続年数が1年以上経過した社員を対象に、毎年2回、希望する他部門やグループ会社への異動にチャレンジできる、社内異動公募制度です。

macalon(マカロン)パッケージ

女性社員が出産、育児を経ても働けるよう、5つの制度をパッケージ化したものです。女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇「エフ休」、不妊治療中の女性社員が通院する際に取得できる「妊活休暇」、妊活に興味がある社員などを対象に、専門家の個別カウンセリングを受けられる「妊活コンシェル」、子どもの急な発病などの際に在宅勤務できる「キッズ在宅」、子どもの入園・入学式や遠足、参観日などの学校行事に休暇を取得できる「キッズデイ休暇」によって構成されています。

円滑な社員間コミュニケーションを促す制度が多数――Sansan株式会社

クラウド名刺管理サービスを通じて、新たなビジネスインフラを構築することを目指しているSansan株式会社。社内でも社員一人一人の強みを共有し、柔軟に補完しあうような組織づくりを目指しているとのことで、社内コミュニケーションを活性化させる施策が数多く実施されています。また、制度がきちんと浸透するよう、ネーミングにこだわっている点にも注目です。

Know me!

「のーみー」と発音するこの制度。部署が異なり、過去に一緒に飲んだことがない人と3人以内で飲みに行くと、1人につき3,000円が会社から補助される制度です。

よいこ

「より良いCommunityを作るために」という思いが込められた制度。業務以外の活動を支援しており、費用を会社が一部補助。ボルダリング部をはじめ、さまざまな活動に利用されています。

テランチ

代表取締役社長の寺田氏と社員が1対1でランチする制度。

思わず使いたくなる「呪文」みたいな制度も――クルーズ株式会社

ソーシャルアプリケーションプロバイダーとしてさまざまなスマートフォンアプリを展開しているほか、テレビCMでもおなじみのファストファッションブランドのショッピングサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を運営しているクルーズ株式会社。Sansan株式会社と同様に、人事制度には某ロールプレイングゲームをほうふつとさせるような名称がつけられており、組織にきちんと定着させようとする意図が見られます。また、退職後の社員までサポートするユニークな制度も。

CROOZ号乗船往復チケット

会社で長く活躍してくれた社員や大きな貢献をしてくれた社員が、やむを得ず退職した後でも期限内であればいつでも復帰できる制度。

もしもの木

「もしもこんな制度があったら」という、会社やサービスに対する意見や要望をいつでも投稿できるシステムです。

すごイイネ、小さなメダル

業務のなかですごいことをやってのけた人に対して送られる「すごイイネ!メダル」、社員同士で感謝の気持ちをあらわす「小さなメダル」は、社員間のコミュニケーションを活発化させるための制度です。

ルーラ

勤続丸7年を迎えた社員に5日間の休暇と15万円の旅行代金をプレゼントする制度です。勤続年数に応じた連続休暇や奨励金を付与する企業は多く見られますが、「旅行代金」に限定してリフレッシュを促す点はユニークです。

社長の推薦状

退職する社員の転職のため、希望者には社長自ら推薦状を書く制度です。

まとめ

いかがでしょうか。女性が長く働ける、社内コミュニケーションを活性化させる、復職を支援するなど、さまざまな人事制度をご紹介しました。それぞれの制度には、現場の意見に耳を傾け、判明した課題を解消するための仕組みがきちんと取り入れられています。

また、どんなに魅力的な制度であっても、それをいかに社内に定着させるかという視点は非常に重要です。会社やチームによって課題は異なると思いますので、その課題解決に見合ったソリューションを見極め、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

文:大城達矢

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