内定辞退を防ぐには? 分析・初期対応・フォローの連携でより効果的な対策を実現
Pocket
Share on LinkedIn

書類選考、数度にわたる面接など、多くの時間と労力をかけて内定を出すに至った優秀な人材を失う「内定辞退」は、採用計画はもちろん、企業の将来に大きなダメージを与えます。
売り手市場が続く近年、優秀な人材は複数の企業から内定をもらうことも珍しくなく、内定辞退への対策は不可欠といえるでしょう。そこで今回は、内定辞退の原因の把握、必要な対策について考えます。

内定辞退はなぜ起こるのか? 定量的な分析で現状を把握する

内定辞退の防止策を講じるにあたり、まず行うべきはその理由の把握です。内定を辞退するということは、「その企業で働きたいという意欲が薄れた」「他社に比べて低くなった」ということですが、「力不足で選ばれなかった」と単純に捉えるだけでは十分な対策を行うことはできません。内定辞退が起こった正確な理由、それを引き起こした自社の問題点を正確に把握することが求められます。
内定辞退において、一般的に多く見られる理由には下記のようなものがあります。

  • 自社の強みや魅力が伝わっていなかった
    自社の強みや魅力が伝わっていないことによる内定者のモチベーションの低下は、内定辞退の大きな要因となります。「ここで働きたい」と感じる魅力が企業にあれば、内定辞退には至らないでしょう。企業側が自信を持っている自社の長所を伝えるだけでなく、候補者が就職や転職によってかなえたいと考えていることを察し、それを自社で実現できると明確に伝えることが大切です。
     
  • 企業の対応に不安や疑問が生じた
    面接などで社員との接点ができると、その対応によって企業への好感度は左右されます。社員との接触により生じた不安や疑問を解決できない状態は、内定辞退につながりやすいものです。これは、アサインした面接官の適切さで回避すべき課題であり、どのような対応がどういった結果をもたらしたのか、このタイプの候補者にはこのタイプの面接官が適しているのではないか、といった分析をし、改善を図りましょう。
     
  • 給与などの待遇に不満がある
    給与や勤務地、勤務時間などの条件に不満が生じるケースもあります。どの点が不満と捉えられているのかをしっかり把握できれば、待遇の改善などの対策が可能です。また仮に条件の変更が難しい場合でも、「現在の条件が適切である」と内定者が納得できるような説明を個別に行うなどの対応ができます。

このように内定辞退の理由によって必要な対策は異なるため、正確に理由を見極められるか否かは内定辞退の防止策を講じるうえで大きなポイントとなります。そこで重要となるのが定量的な情報の分析です。

内定辞退に至った候補者たちから伝えられた理由だけでなく、適性検査や面接など、採用活動の過程で得た情報、面接をはじめとした内定者とのコミュニケーションの履歴など、さまざまなデータを総合的に分析し、真の理由を正確に把握することが求められます。

採用活動を通じて得たさまざまなデータを分析しやすい形で保存・管理できるシステムの構築は、内定辞退の防止策を講じるうえで、最初に対処すべき重要な課題であるといえます。近年は、多様な情報の一元管理や、データの可視化が可能な採用管理システムの活用によって、効率的かつ正確な分析を行う企業が増加しています。

採用活動初期からの対応が明暗を分ける、入社意欲を上げ続ける面接官の重要性

内定辞退の防止策を講じるうえで、欠かすことができないのが候補者の入社意欲を上げ続けることです。なお、ここで気を付けたいのが、内定が決まった時点で対策を開始しても遅いという点です。選考過程の初期から、候補者との関係を構築し、入社意欲を高めていくことが大切です。
特に重要な役割を担うのは、採用担当者や面接官など候補者と直接接触する人物です。単に親切に対応するのではなく、候補者それぞれに対して、採用シナリオを考え、個々の希望に沿うように、その時々に応じて適切な役割を果たすことが求められます。とはいえ、採用プロセスにおいて企業側の担当者が果たすべき役割は多岐にわたり、そのすべてを1人で担い、候補者の入社意欲を最後まで高め続けるのは困難です。チームを設けて複数人で対応するなど、さまざまな立場の担当者がフォローする体制が好ましいです。
たとえば株式会社ビズリーチでは、採用プロセスの始まりから終わりまで候補者に寄り添い味方に徹する「フォロワー」、候補者の描く将来像を察して志望動機を形成するなど入社意欲を高める「モチベーター」、候補者になかった視点を与えて、自社の印象付けやこの人と働きたいという強い動機付けを行う「インパクター」、候補者に入社を決断させる「クローザー」というように、採用に関わる人材の役割を明確にしています。これはそれぞれに最適な人材をアサインすることで、効果的かつ継続的に入社意欲を高める手法です。

内定後も手を抜かない、頻繁なフォローが必要

内定の決定後は、入社までに生じる候補者の不安を取り除き、自信と入社意欲を持ち続けられるようにする必要があります。そのためにもっとも有効なのが、接触の機会を増やすことです。継続的なフォローにより、内定後から入社までに連絡が一切ないという状況を避けましょう。
採用担当者による定期的なコンタクト、会社のメルマガを送るといった、比較的容易に行えるフォローに加え、さまざまな方法で内定者にフォローを実施する企業が増えています。

  • イベントを通じて、社員や他の内定者と接する機会を増やす
    先輩となる予定の社員などに接触できる機会を増やす定番の方法がイベントの開催です。会社で実施する対外的なセミナーへの参加、懇親会や職場見学などはその代表的な存在です。こうしたイベントへの参加は、入社前に先輩や上司となる社員と接することができるだけでなく候補者自身にその組織の一員になったときの姿をイメージさせる効果があり、「御社」ではなく「当社」という帰属意識を持ってもらうことができます。さらにロールモデルとなり得る社員を実際に目にすることで、候補者が「自分も将来はこうなれる」というイメージを抱きやすくなる点もメリットです。
     
  • 個人的に信頼関係を築く
    個人的な相談相手は、内定者が欲するタイミングですぐに対応することで、内定辞退につながる芽を摘むことができ、内定辞退の防止に大きな役割を果たします。そのため前述したフォロワーに当たる人物(主に採用担当者)には、候補者と密に連絡が取れる関係性が求められます。採用活動の序盤から、「採用担当者」対「多数の候補者」、または「企業」対「候補者」ではない、個人対個人の信頼関係の構築を心がけることが重要です。内定が決まった後も通り一遍の対応ではなく、「入社前にこういう方(内定者の業務に関連する人物など)とお会いしてみませんか?」「(他社でも内定が出ている場合)当社で働くと、あなたがやりたいことがこのように実現できます」など、候補者一人ひとりに適した提案を行い、さらに絆を深めることが大切です。

採用を強くするHRMOSセミナー

Pocket
Share on LinkedIn