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採用・人事領域の最先端研究を行うビズリーチHR研究所の研究員が、8月20日(土)~8月26日(金)の間、さまざまなメディアに掲載された「採用」「人事」「社会」に関する記事から、採用・人事担当者に役立つ注目の記事をピックアップ。採用・人事領域の専門家である研究員の視点から、解説を行います。


生え抜き経営者とプロ経営者、どちらがいいのか?
(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/99585

■ピックアップ早読み
企業が変革を必要としている状況において、生え抜き社員を経営者にするか、外部からプロ経営者を招聘するか。この問いに対し、プロ経営者としてIBMのルー・ガースナー氏や日産のカルロス・ゴーン氏、生え抜きとしてGEのジャック・ウエルチ氏、日立の川村隆氏を例に挙げ、過去のしがらみを越え、客観的に自社を見る視点や経験を持った人材が社内にいないのであれば、プロ経営者のほうが大胆な変革を起こしやすいと結論づけています。

■研究員の視点
「生え抜きか、プロ経営者か」という問いの答えは、企業が変革を必要としている状況か、そして変革を成功させられる後継者が社内に育っているかという点に左右されます。ここ最近ベネッセ原田氏、LIXIL藤森氏などプロ経営者の退任が相次いで話題となり、あらためてプロ経営者が企業にもたらすものに注目が集まっています。その一方で、任せられる後継者を社内に育てることができず、経営者が高齢になっても社長を続ける企業もあります。後継者を育てることも経営者の役目であり、うまくいかなければ事業が停滞することもあります。MAKE(内部育成)にしろ、BUY(外部調達)にしろ、後継候補をどう育てるか、あるいは外部から連れてくる場合はどんな人材がいいのか、常に考え続ける必要があると言えます。

(参考)
公募も失敗、後継者が決まらない優良企業 「社内に適任はいない」と断言するユーシン社長
(日経ビジネスオンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/102600091/


マージャンで内定リーチ 採用に導入、勝負勘見極め
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160823/k00/00e/040/142000c

■ピックアップ早読み
スターティア社では、新卒採用の一つの入り口として、麻雀を取り入れました。優勝者は最終面接、2位~5位は3次面接からという通常とは異なる入り口を設けています。「ビジネスパーソンに必要な勝負勘や決断力だけでなく、運、そしてゲーム中の人間性を知ることができる」と、その効果についてスターティア社の人事部長は語っています。

■研究員の視点
スターティア社は、以前に「人狼」というゲームを採用試験に取り入れたことでも話題になりました。世界的な消費財メーカーや金融機関など、欧米でも採用にゲーム要素を取り入れる企業は珍しくありません。目的や採用基準を明確にすることが前提ではありますが、ゲームはそれらを引き出しやすい手段となる可能性があります。もちろん、ゲームにこだわる必要はありません。入社にあたり必要なスキルが明確なのであれば、それらの測定法を考えることに必要な人材獲得のカギがあるかもしれません。


「かっこいい」を作るビームスの新しい働き方
「副業あり」の会社にしたい(設楽 洋さん 第3回)
(日経ビジネスオンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/252773/080300027/
(※リンク先の記事を全文読むには「日経ビジネスオンライン」の会員登録が必要です)

■ピックアップ早読み
「個性の集合体のような会社」であるビームスの代表取締役社長・設楽氏のインタビュー。創立40周年を迎えた今も、ユニークな社員、ぶっ飛んだ社員がいることによって、ビームスには面白いものが集まってくると言います。「そこに集いたい、仲間になりたい」と思わせる組織であること、それに対応した働き方、やりがいについての考え方、仕事を楽しむことなどの経営観・働き方が存分に引き出されています。

■研究員の視点
この記事を読んだときに、非常に気持ちのいい感覚を覚えました。経営と人事制度に一貫性を持つ内容だったからです。経営と一貫した人事制度を持つことは容易ではありません。会社規模が大きくなるほど守りの意識が働いて、社内のNG事項が増えていくからです。イノベーションが求められる時代のなかで、自社がユニークであるために、あるいは「ぶっ飛んだ」人材を確保するためにはどうしたらよいか、多くの企業が悩んでいるかと思います。ゼロベースで考えることで、自由な発想をしてみてはいかがでしょうか。


富士通 転職した社員も再雇用 即戦力獲得へ対象拡大
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO06298020Z10C16A8TI1000/
(※リンク先の記事を全文読むには日経電子版の有料会員登録が必要です)

■ピックアップ早読み
富士通が退職者の再雇用制度の条件を緩和しました。従来育児・介護のための退職のみだったものを転職者も対象とし、勤続年数3年以上で退職後3年以内としていた制限も、勤続年数1年以上で退職後5年以内に広げたのです。人手不足を解消し、即戦力を獲得するための手段として、過去転職した人も含めた再雇用制度は、大手では珍しいものです。

■研究員の視点
転職後の再雇用についてはオリックス、カゴメ、NTT西日本でも実施されています。一度辞めても戻ることができるため全体の士気が下がる、離職率が上がるといった懸念はありますが、成長実感が持てない等の停滞した状態では、無理に社内に引き留めたとしても人材の能力を伸ばせない可能性があります。副業と同様、外部で経験を積み、高いスキル・知識や問題解決案を持ち帰ってくることが、新たな価値創造につながると考えられます。

(参考)
富士通 採用情報 カムバック制度
http://www.fujitsu.com/jp/about/corporate/employment/comeback/


シャープ「戴」式改革着手 ローテーション人事→専門性重視
(日経産業新聞)

■ピックアップ早読み
「日経産業新聞」を購読していないと読めない記事ですが、ぜひご一読いただきたい記事のためご紹介します。

シャープの新社長に就任した台湾の鴻海精密工業の戴氏が、就任後早速改革に着手。「信賞必罰の人事を徹底する」とし、社長室を新設して昇進や人事異動を掌握しています。また、ローテーション制度を廃止し、専門性を深める人事制度に変えると発表しました。

■研究員の視点
この記事のなかでは、とくに「ローテーション型人事制度の廃止」について注目しました。シャープでは過去、特定の領域に特化するだけの「I」型人材ではなく、特定の分野を自らの軸に据えつつ多様なジャンルについても幅広い知見を併せ持つ「T」型人材を育てるためにローテーション型人事制度を取っていました。ところが今回、専門性を重視するために廃止にしたのだと言います。

実のところ、シャープと同じような目的(T型人材やゼネラリストを養成する)でローテーション型人事を行っている企業は少なくありません。はたして本当にローテーション型人事でT型人材あるいはゼネラリスト人材を育てることはできるのか、今一度問いかけるべきタイミングではないかと感じています。特に、経験年数だけでローテーションを回す制度となっている場合、社員に柱となるスキル・知識・能力が形成される仕組みになっているでしょうか。勝手に育つことを期待するのではなく、育成プランや目指す姿について、きちんとデザインする必要があると考えます。


※掲載している記事のURLおよびコンテンツは、事前の予告なく変更・削除される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

文:ビズリーチHR研究所 金澤元紀


 

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